思いやりこそ、最高のビジネススキル。
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ゴールドラッシュの時代、いちばん儲けたのは金を掘り当てた人たちではなく、鉱夫に丈夫な作業服を提供した人たちだったと言われている。その商機を見逃さなかったドイツ移民の起業家、リーバイス・ストラウスによって売り出されたのが世界的に有名なリーバイスのジーンズである。いまでも、リーバイス社のHPにはこう明記されている。
リーバイスブランドは、創業者の理念であった「人々の声、社会の声に耳を傾けること」を伝統として受け継ぎ、ビジネスで収益を上げることだけを目的とせず、CSR(企業の社会的責任)に通じる考え方を持ち行動してきました。
表向き、企業は株主ファーストで成り立っているとされているが、次に位置するのは誰なのか?それは、顧客でもなく役員でもなく、企業理念を自らの行動で体現している社員であると私は考える。
外資系の教育関連企業に勤めていたとき、私はアメリカの本社のHPをよく見ていた記憶がある。そして、自社製品の広告が出ている日本国内の経済雑誌だけではなく、アメリカで販売されている雑誌までチェックをしに、休日は大型書店の洋書コーナーに足を運んでいた。開発された経緯やコンセプト、真のターゲット層を自分なりに研究をすることで、よりセールスに自信が付き、説得力も伴っていったのである。
意外と、自分が勤める会社の企業理念や商品・サービスのコンセプトをスラスラと答えられる人は少ないのではないだろうか。商売は、誰かのためになることで存在する意味が成り立つ。どんな商品・サービスにも、初めは価値なんて付いていない。それに価値があると思う人を作ることで、初めて価値が生まれるのである。その媒体になるのが社員やそこに携わる関係者であり、広告やCMなどでは決してない。
どんな仕事をしていようと、個人の存在意義とは思いやりを持つことだと私は思う。実際には、人は自分の存在意義より存在価値に意識が向いてしまい、そのことで思い悩み悶々とした日々を過ごしてしまいがちである。
けれども、存在価値という言葉を他者に当てはめたとき、存在意義という言葉の中に光と希望、そしてうっすらと自分の未来の姿が見えてくるのではないだろうか?
メディアが「不安定な社会」「不安定な生活」といったワードを持ち出したとき、本当に不安定なのは人の心だけなのであり、その心が社会や歪んだ人間関係を作り出すことを忘れてはいけない。
人体が臓器の助け合いのもと健康を保てるように、組織も互いをリスペクトして助け合うことで健全さを保ち、その流れに滞りがないか俯瞰できる人はどんな場所でも生き残れる可能性は高い。
新たなものを生み出すだけがスキルではない。新たな“流れ”を生み出す者、そんな人がいま求められていると私は感じている。
最後まで読んでいただいたあなたに感謝。ではまた。
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