運が増していく言葉、減っていく言葉
こんにちは。
ある小学校での話です。
廊下を走る児童が多いことに先生達が困り、こんな注意書きを壁に貼りました。
「廊下を走らないように」
しかし、廊下を走る児童の数は全く減りませんでした。
そこで、注意書きの文言をこのように変えました。
「廊下は歩きましょう」
そしたら、廊下を走る児童の数が激減したそうです。
人間の脳は動詞を否定している部分よりも、「動詞そのもの」に意識を向ける特徴があります。
「レモンの皮をむいて、中身をかじっているところを想像しないでください」と言ってもイメージが浮かんでしまいますよね。
よく、医師やカウンセラーが心理的要因で痛みの引かない慢性疼痛患者に「痛み日記」というものを書かせていた時代がありました。
しかし、痛みの対象を意識すればするほど治るのが遅くなるということが分かってきたので、いまでは痛みを自分で観察するようなことはあまり勧めていないそうです。
認知科学においては、「世界は言語で成り立っている」と言われるように、人間の脳は赤ん坊のときから言葉とともに成長していきます。
しかも人間は一日のうちに、無意識下も含め約4万回もセルフトーク(自己対話)をしていると言われています。
だから、たとえ綺麗な言葉を選ぶよう心がけていても、内面を磨かないかぎり現実は変わりません。
セルフコーチングで人生を変えていくには、まずセルフトークを変えていくところから始めるのが基本です。
セルフトークが変われば、自分に対する自己イメージも変わっていきます。
自己イメージが変わるとどうなるのか?
今度は、「物理的に」自分が本当に属するべき場所に移ろうと試み始めます。
コーチングで言うところの、「コンフォートゾーンの移行」です。
言葉はその人を表すと言いますが、人生そのものを決定するくらい強力なものなのです。
精力的に情報発信をするようになってから、出版関係の方からも声がかかるようになりました。
私の段階的なゴール設定の中には本の執筆も含まれています。
しかし、現段階では本の執筆に関しては丁重にお断りをしています。
理由は簡単です。
まだ、原稿が完成していないからです。
同業の方でも、「本を出したい」という人が結構います。
しかし、原稿どころか企画さえ用意していない人がほとんどだと思います。
「Want to(〜したい)」なことだけをやる。
これは人生のイニシアチブ(主導権)を掴むための基本原則です。
しかし、言葉にする「〜したい」と、
心から望む「〜したい」は全く別物なのです。
稼ぎたい。
食べたい。
行きたい。
買いたい。
なりたい。
休みたい。
モノにしたい。
言葉にする「〜したい」は単なる欲求レベルです。
もし、あなたの夢やゴールが言葉にできる「〜したい」レベルであれば、九割五分お金で解決できます。
お金は「手段」であって、ゴールにはなりません。
その先に、自分の利益だけで終わらない、もっと有意義な使い方を知っている人のところにお金が集まるのです。
運用、運営、運転、運行、運送。
すべて「運」という言葉が付いてますよね?
つまり、自分のためだけには「運」は使えないのです。
おわりに。
我々が人間としてこの世に生を受けたのは、まさに運のおかげです。
そう考えると、運のない人はいません。
人として生きていく以上、運というものは絶対に離れないのです。
それなのに運を求めてしまうのは、自分を客観的に見れていない証拠だと思います。
そういう人は、自分が人間であることも忘れているのかもしれません。
結局、人のためとは自分のため。
しかし、その逆はありません。
常に人のためを優先してください。
それではまた。