心の弾力性を高めるほどコミュニケーションは下手になる
こんにちは。
連休中、なんとなく落ち着かない気持ちになる人がいますよね。
あなたはどうですか?
もし、落ち着かなくなる人は職場(もしくは働いている状態)がコンフォートゾーンになっている証拠です。
そういう人ほど、いざ仕事を辞めると引きこもってしまうタイプですので要注意。
仕事以外でも自分を表現できる場所を持つことをおすすめします。
さて今回は、「心の弾力性とコミュニケーション」についてです。
私は以前から、「心とは現象のことである」と記事に書いています。
心は実体がないので、折れもしなければ、鍛えることもできないという意味でもあります。
落ち込んだときは、脳が何かに過剰反応した状態とも言えます。
逆にうれしいときというのは、ハッピーホルモンと呼ばれるオキシトシンなどの脳内物質がバンバン分泌されている状態です。
つまり、心とは脳の状態を指していると言った方が分かりやすいのかもしれません。
最近、よく耳にするのが「心の弾力性」という言葉です。
私は普段、時間があればよく書店に足を運びます。
そんな中で、私はあることに気が付きました。
それは、ビジネスマン向けの雑誌や書籍ほど「弾力性」という言葉をよく使っているのです。
逆境を乗り越えたり、ストレスの蓄積を回避するために、心に弾力性を持つ。
これには反論の余地がないように思えます。
しかし、仕事の処世術として、世の中が「心の弾力性」を持つことをすべての社会人に推奨している。
私には、そのようにしか思えなくなってきたのです。
心に弾力性を持つということを日本の社会が一方的に押し付けている。
つまり、それは誰かが作り上げた「画一的な価値観」なのでは、と疑うようになったのです。
これは、「空気を読む」ことが当たり前だと思っている風潮となんとなく似ています。
心の弾力性と同じくらいよく使われる言葉、それが「心の柔軟性」です。
弾力性と柔軟性。
似ているようで違う。
一体、どこが違うのか?
それは、単純にイメージの問題だと思います。
どちらも、形は変わるけれども決して壊れない、というのが共通点なのかもしれません。
視点のポイントをさらに上げてみると、
心の弾力性と柔軟性、どちらも「心」の持ち主が身を守るために意識するものだと考えられます。
結局は、誰もが傷つきたくはないのです。
タフであり続けたいのです。
コーチングにおいて、コミュニケーションの主導権を握るのはコーチの方です。
それは質問する側としての主導権だけを意味するものではありません。
相手がこちらに信頼感を持つにつれ、次第に形成されていく主導権でもあります。
だから、コーチはコミュニケーションを成り立たせるプロとも言えるのではないでしょうか。
では、コミュニケーションにおいて最も大事な要素とは何なのか?
それは、
圧倒的なマインドの柔らかさです。
柔軟性を超えた、雲のように何でも突き抜けてしまう柔らかさです。
その柔らかさには、最初から言葉を跳ね返す弾力性すらありません。
すべてを受け入れ、すべてを愛す。
この言葉は単純そうで、実は奥が深いと思っています。
愛すること自体、どうしても主観が入ります。
主観が入るからこそ、結婚して離婚もするのです。
人は、自分が大事なものしか見えていない。
これは脳の特徴でもあります。
しかし、多くの人がそれに気付いていません。
誰にも自我はありますが、その自我というもの自体が自分中心の世界なのです。
コミュニケーションにおいて、圧倒的なマインドの柔らかさを持つということは、
相手の言葉をそのまま受け入れることを意味します。
どんな言葉を投げかけられようと、完全に肯定するのです。
肯定すれば相手は喜びます。
非難、中傷、暴言を吐いた人間ほど喜ぶでしょう。
けれども、私はそれでいいと思っています。
なぜなら、人は常に自分が正しい、自分がいちばん大事だと思っているからです。
だから、命をおびやかされたり、資産を奪おうとされないかぎり、無条件に肯定してあげればいいのです。
「何か壮絶な過去を背負ってますよね」
「そうですね」
「いつも顔色が悪いね」
「はい、そうですね」
「あなたは、もしかしてバカ?」
「そうですね」
「これ、高くないですか?」
「そうですね」
「お前の給料、安くない」
「そうだね」
「体、ちょっと太いね」
「そうですね」
肯定しまくっても大丈夫です。
安心してください。
もし、あなたがちょっとでも変身したときや、あなたの本当の姿を知ったとき、相手の頭の中にある論理は総崩れします。
そうなると、相手は恐れおののいて、あなたに近づかなくなります。
そして、あなたの周りに残るのもの。
それは、あなたを心から信頼し、愛する人たちだけなのです。
おわりに。
この国は誰もが対人恐怖症なのでは?
毎年、コミュニケーション関連の本がベストセラーになっているのを見て、いつもそう思ってしまいます。
常に正解を求める。
これは日本人の特徴とも言われています。
外国語がペラペラでも、スキルアップに上級の「参考書」を探し回っている人がいたりします。
ある意味、正解依存症です。
人類の歴史の中で、正しいコミュニケーションの方法を発見した人はいません。
現実が理想に勝ったこともありません。
方法探し、正解探しをしている人は、誰かに植え付けられた価値観に早く気づくべきです。
弾力性ばかり気にしていたら、本当のチャンスも跳ね返してしまう。
そう思ってなりません。
もし、あなたが心の弾力性、柔軟性を意識するようになった場合。
そのときは、損得勘定で物事を判断していないか意識してみてください。
マインドが柔らかい人は損得を考えません。
だから人も寄ってきます。
私もまだまだかもしれません。
だから、もっともっと柔らかい人間を目指します。
それではまた。