時間は何も解決してくれないと思った時、どうやって過去に決着をつければいいのか
こんにちは。
今回は「時間は何も解決してくれないと思った時の対処法」について書きたいと思います。
嫌な思い出や悩み、人間関係の問題は時間が解決してくれるとよく言われています。
実際のところ、本当にそうでしょうか?
先日、車を運転しているときでした。
ふと、子供の頃の出来事を思い出してしまいました。
思い出したというよりは、勝手にフラッシュバックをしたような感じです。
それは小学校6年生のときに、身に覚えのないことで先生から責められたという記憶です。
なぜ、そうなったのかは詳しく書きませんが、後からクラスメイトがそっと私に経緯を教えてくれて納得したことを覚えています。
記憶のフラッシュバックは誰にでもあると思います。
人間の脳は経験したことはすべて記憶していると言われているので、それは当然のことです。
しかも、思い出した時に、本当に頭が痛くなったり気分が悪くなったりします。
実際、私も思い出したときは額からじわーっと汗が出てきました。
このとき、私は思いました。
時間は、心の奥底にある感情や悩みを解決できないのでは、と。
コーチングではクライアントの過去には、あまりフォーカスしません。
けれども、人は過去の記憶をもとに生きているという前提でセッションをします。
だから、現状を飛び出すためには、現状の外側にゴールを設定することが必要になります。
「こうなりたい」という強烈なモチベーションがあったとしても、それが過去を見返すためのゴールである場合は、再設定が必要になります。
なぜなら、そのゴール自体が過去の延長線上で思いついたものだからです。
真の自己実現には、現時点ではまったく達成方法がわからないくらいの大きなゴールが必要です。
それには、過去の記憶が入る余地はほとんどありません。
もし、クライアントがどうしても過去の記憶という呪縛から逃れられない場合。
そんなときは、どう対処するのか?
コーチによって対処方法は様々だと思いますが、私はこのようにします。
それは、
過酷な状況をくぐり抜けて、いま生きているという事実を再確認してもらいます。
コーチングでは、ベストな選択の積み重ねが現在だと考えます。
だから、いま生きていられるのはベストな選択をしてきたからなのです。
それは、過去を肯定することと少し違います。
強制的に自分自身が置かれた状況を肯定する必要はありません。
それでも、その状況から無事逃れられたことは肯定すべきだと思います。
つまり、我々はみなサバイバル状況をくぐり抜けてきた、サバイバーなのです。
今日の読売新聞朝刊の人生相談はかなり衝撃的でした。
中学時代に娘をいじめた人間に対する恨みが消えずに困っているという内容です。
しかも、いじめのリーダーが結婚をして普通に家庭を築いていることが、どうしても許せないらしいのです。
不満や恨みからくる正義感は必ず破綻します。
なぜなら、そこには抽象的な思考が存在しないからです。
戦争では世界が良い方向に向かわないのと同じです。
時間や空間を超えた解決策を考え、対話を促すことの方が重要です。
そもそも、地球にボーダー(国境)は存在していなかったのですから。
もし、あなたが心の奥底にある負のエネルギーに気づいたとき。
負のエネルギーとは、時間が解決できなかった悩みや過去の出来事に対する感情です。
そんなときは、エフィカシー(自分の能力に対する自己評価)を上げることに集中してみてください。
いちばんいいのは、小さな成功体験を積み重ねることです。
先ほど、ゴールは現状の外側に設定すべきと書きました。
けれども、そこに至るまでの段階的なゴールはいくつあってもいいのです。
自分で確実に「できそう」「勝てそう」と思えるフィールドを探してください。
エフィカシーが上がっていけば、自然と負のエネルギーの取り扱い方がわかってきます。
おわりに。
私は以前、幼少期をシリアで過ごしたという日本人女性と話をしたことがあります。
その方が言うには、昔からテロは日常茶飯事だったらしいのです。
ケロッとした顔で仰っていましたが、その記憶は確実に本人の人格に影響を及ぼしているはずです。
我々が暮らしている日本という国は、そこまで危険ではないですが、誰もが過去を背負って生きているという点は万国共通です。
その過去をどう捉え、どう対処していくか。
心理学を学べる学校以外では教えてくれません。
私自身、フラッシュバックする記憶は冒頭で書いたものだけではありません。
数え切れないくらいの種類があります。
それでも、コーチング理論を身につけたおかげで、普通の人よりも冷静に対処できます。
人間の脳は、嫌な出来事ほど鮮明に記憶するという特徴があります。
それは、危険を回避するためにDNAに刻みつけられた本能です。
けれども、嬉しい、楽しい、誇らしい、といった感情の方が脳は確実に喜びます。
これも事実です。
我々は何のために生きているのか?
それは、幸せを感じるためだと私は確信しています。
幸せを感じながら生きる。
そのための学習も必要ではないかと思っています。
それではまた。